火力を上げて物理で殴る 〜カバルカカイリュー構築・一つの結論〜

☆マエガキ

その事件が起きたのはムーバー解禁から数日が経ち、新しい年が明けたある日のことだ。
突如としてウェブ上にこんな記事あんな記事が発表されたのである。
かつてのカバドリラティを彷彿とさせるこのカバルカカイリューなる構築は基本選出の強力さから多くのトレーナーの関心を引き、一時ポケモン界に旋風を吹き起こすことになった。
僕もそのご多分に漏れずして、先を越された悔しさはあったものの、それ以上の喜悦と感激でもって歓迎した。
当たり前だ。ルカリオカイリューが同時に入った構築である。これに惚れずして何に惚れればいい。
そこですぐさまパーティをコピー&アレンジし、意気揚々とレートに潜ったわけなのだ
が、
結果として戦績は芳しいものではなかった。
ギルガルドゲッコウガという新勢力、そして時を同じくして流行りだしたスカーフガブリアスやメガギャラドスにボコボコにされ、枕を涙で濡らしたのは今でもよく覚えている。
そこで一旦この構築を保留にし、ナンス軸やエルフドラン等他のパーティでレートを潜ること百数戦。ようやくムーバー解禁後の環境が見えてきたので、じっくり理詰めしつつ再考察。
長い長い熟成期間を経てようやく自分なりの結論を出した。

XY発売以降最もお気に入りの構築となったので長らく公表は控えていたが、先立ってこんなのが発表されたり、こういう構築が結果を残したことからもはや隠匿の意味はないとの考えに至り、筆を取ることにした。

コンセプトは「火力を上げて物理で殴る」


カバルドン


215-132-139-x-136-62
ステルスロック/欠伸/吹き飛ばし/岩石封じ@オボンの実

テンプレ。
特殊もだいたい一撃耐える慎重HD。
流用個体なのでSは五世代の名残であるハッサム抜かれ調整。
(だが、62である必要はない。57とかで単純に67でいいんじゃないだろうか)
アローやボルトの挑発に対抗したり、後続のサポートができる岩石封じ。
ステロと欠伸の両方入れられる可能性が高くなるオボンの実。
メンタルハーブやゴツメも一考に値するとは思うが、両方試した結果、オボンが一番有用であるとの結論に。
(上記の二つを使用しているとき、オボンがあればステロと欠伸両方入れられたのにな、と思う場面が多々あった)
一撃で倒れることがほとんどない最高クラスのステロ蒔き。
個人的にはステロガブより遙かに評価が高い。
ただ、第五世代を思えば催眠弱体化によってかなり扱いづらくなった印象は否めないが。


メガルカリオ


145-197-109-x-90-180
インファイト/アイアンテール/神速/剣の舞い@ルカリオナイト

これもテンプレ。
シングルであればメガルカリオは圧倒的に物理が強く、そして物理ルカリオを使う以上、インファ神速は絶対必要な技。
コンセプト的に剣舞も必須。
ラス枠は噛み砕く個体と入れ替えて使っているが、どちらも一長一短といった印象。
当てればテールの方が強い。当てればね。
あまり拘る必要はないが、元の特性は噛み砕くなら正義の心、アイアンテールなら精神力が良さそうである。
バナとかクレセくらいなら気にせず出て行くが、基本的にガルドを見たら選出は控える。

僕の愛してやまないポケモンその一。
具現化してメガシンカ前に撫でたり、メガシンカ後に撫でられたりしたい。


カイリュー

167-204-115-x-120-132
逆鱗/地震/神速/竜の舞い@ラムの実

またしてもテンプレ。
強いていうなら珠じゃなくてラムを持っているところだろうか。
ご覧の通り、鬼火の通りが半端ないのでそれを妨害する。
状態異常を食らわなくても逆鱗使いにとってラムは腐りにくいのでなかなか悪くない。
確かにテンプレである珠の火力は魅力的だが、神速で自らマルスケを潰して後続に倒された場面が何度かあるので、盲信できるようなアイテムではないと思う。
陽気だとさすがに火力が足りないので今は意地で使っているが、メガゲンガーメガライボルトを考えると陽気にしたいときも時々ある。

僕の愛してやまないポケモンその二。
具現化してお腹を枕にお昼寝したい。


メガカイロス


141-207-140-x-110-172
八つ当たり/地震/フェイント/剣の舞い@カイロスナイト ※怪力バサミ

構築の肝。
ルカリオカイリューで突破しにくいギルガルド、ギャラ、メガヘラなどをまとめて処理する第二のメガエース。
特性はエッジのないギャラにタイマンで勝てる怪力バサミ。
フェイントと石化は選択だが、個人的にはステロ+舞いならアローを屠れ、エルフの前でも悠長に剣舞できるフェイントの方が強力だと考える。
カイロスの耐久をなめてかかるトレーナーは多いが、生半可な攻撃なら悠々と一撃耐える。
特に物理方面は絶妙な硬さをしており、対面で舞える相手はかなり多い。
カバ展開という本来の形を崩さずにルカイリューで勝てない相手をなぎ倒し、かつ全抜きを狙え、汎用性に優れる技構成ということで、今後のカバルカ構築におけるテンプレになってもいいと思うくらいベストな裏エースだった。

大体ガルドと一緒に選出する。


ギルガルド

盾:161-112-171-x-172-84
剣:161-222-71-x-72-84
影打ち/アイアンヘッド/キングシールド/剣の舞い@防塵ゴーグル

カバを見せると初手で出てきやすいガッサやバナ、ビビヨンなんかを起点に変えるギルガルド
剣舞影打ちの火力は伊達ではなく、ステロと合わせて多くのポケモンを屈服させる。
シールドと聖剣は選択だが、ヘッドで事足りる場面が多かったので、タイマン意識のシールドで。
ダウンロードポリ2が若干増えてきているので、少しでも負担をかけられるようポリ2意識の努力値配分。

ギルガルドくらい特殊にしろよ」「ここまでやるか」と思うかもしれないが実際特殊ゴーグルで使ってみたところバナに何度も負けたのでゴーグルガルドならこの型以外ありえない。
大切なのはバランスではなく、勝てるかどうかである。


☆ポリゴン2


191-x-148-126-120-84
冷凍ビーム/放電/イカサマ/自己再生@進化の輝石 ※トレース

最後のピースはパーティの苦手を潰すポリゴン2。
カバルカイリューの天敵であるギルガルドゲッコウガに対するわかりやすい解答。
剣舞も鉢巻きもないスカガブなどポリ2の前なら赤子も同然。
化身ボルトも悪戯心をもらえるただのカモ。
個体は前回記事にあるテンプレの電磁波を放電に変えただけ。
パーティ的に挑発メガギャラドスが笑えるほど重いのだが、初手にギャラドスを出されて挑発竜舞されそうでも放電持ちなら即交代から潰すことが出来る。
他にもこのパーティを使っているとファイアローやリザY、エアームドマリルリなど電気技を打ちたい相手は非常に多い。
ゲッコウガの冷凍ビームで凍るのはご愛敬。

前々から見た目が好きだったが、五世代では使う機会がほとんどなかった。
強いし可愛いしで、最近第四のお気に入りポケモンになりつつある。
ポリちゃん大好き♡(告白)
……キャッ! イッチャッタ。


☆アトガキ

コンセプトをそのまま「いかに突破するか」を念頭においた結果、剣舞が三匹、竜舞が一匹というかなり尖った構築になった。
並びも技構成も汚いのは認めるが、選出が楽だし、すべきことが事前に決まっていて読みの必要な場面が少ないので、対戦時間がかなり短くストレスフリー。
よってレート向きと言える。

これが苦手、というのは山ほど存在するが、これが無理、というのは多分ないのでこれにて筆者のカバルカは一応の完成系とする。
晒しはしたが、とても好きな構築なのでこれからも適宜改築しながら使っていきたい。